金の斧と銀の斧の話を知っているだろうか。
幼いころから超絶仲良しの友達が例の川を見つけたらしく、私は意気揚々とやってきた。
川に斧を落とすと妖精が出てきて言った。
「あなたが落としたのはこの金の斧ですか?」
よし来たぞ。ここで謙虚さをアピールして億万長者になって人生無双してやる。
私は言った。
「何もいらない」
「???」
妖精はしばらく悩んでいたが納得したように言った。
「つまりあなたは俗世に染まらずにあらゆるものから自由になりたいということですね。分かりました」
「え?」
何の話だ。
妖精は続けた。
「ではとりあえずあなたの家と財産は全て処分しておきますね」
「ええ?」
「あと家族も邪魔でしょう。海外の辺境の地に飛ばしますね」
「ええええ?」
「それから毎月の給料もいりませんよね?すべてユニセフに送金されるようにしておきますね」
「ええええええええ?」
「最後に友達は、、、失礼。友達はもともといないようですね。忘れてください」
「は?」
私は全てを失った。