頑張ったら負け

妄想というか願望

バーベQ

今日は友達を誘ってバーベキューに来ている。私が材料のハトを解体していると親友の佐伯が叫んだ。「うわ!お、お、お前、正気か?おぇぇーーーー」言い終わると同時に佐伯は吐いた。体は痙攣し顔は真っ青になっている。しまった!温室育ちの軟弱腰抜け一般…

いらない何も

金の斧と銀の斧の話を知っているだろうか。幼いころから超絶仲良しの友達が例の川を見つけたらしく、私は意気揚々とやってきた。川に斧を落とすと妖精が出てきて言った。「あなたが落としたのはこの金の斧ですか?」よし来たぞ。ここで謙虚さをアピールして…

S市の危機

会社の休憩時間。「で、これがそのスイス製の最高級時計で、職人が手作りで~」私は後輩の田中君に中身のない自慢話を聞かされていた。正直どうでもいい。「それで何か面白い機能でもついてるの?」早く話を切り上げようと私が適当に相槌を打つと田中君は待…

命に代えても

突然だが今日は嫌な予感がする。「ボディーガードを雇うか」私は全財産を使ってボディーガードを大量に雇った。しばらくすると屈強な男たちがあいさつにやってきた。「命に代えてもあなたを守ります」これは心強い。私が意気揚々と道を歩いていると犬が吠え…

万引き

スーパーにて。私が日課の万引きを行っていると万引きGメンに呼び止められ、事務室に連れていかれた。事務室に着くと店長と思わしき人が声を荒らげて言った。「犯罪者が!盗んだものをすべて出せ」横暴な人だ。しかし私にも言い分がある。「言いがかりはやめ…

ホワイトデー

今日はホワイトデー。とはいえ、不慮の事故で入院中の私には関係のない話だ。しかし、「ホワイトデーのプレゼントをもらいに来ました」誰かが病室に入ってきた。後輩の高橋さんだ。彼女は惚れやすい性格で、惚れた相手に貢がせて破綻させることをライフワー…

ドミノ

ドミノ世界大会。私は細心の注意を払いながら並べられていくドミノを凝視していた。「そろそろかな」私は機を見計らうと観客席からドミノにダイブした。ガチャーン。倒れる感覚がきもてぃぃぃぃいいいー。が、すぐに気づく。ドミノには転倒防止のストッパー…

ひなまつり

会社出社時。「今日ってひなまつりですよね」私は何げなく言った。すると鈴木先輩は答えた。「ああ、あの日か。うちの会社も騒がしくなるな」どうやら何かあるようだ。鈴木先輩は続けた。「まぁ見ればわかるさ。よくあるやつだよ」しかし会社に着くと想像を…

バレンタインデー

後輩の社員に声をかけられた。「バレンタインのチョコを受け取ってください」「もちろん♡」私がその声に反応して振り向こうとしたその時、体に鈍い痛みが走った。ミシミシミシ。肉がきしむ音がする。「が、、、はぁ、」どうやらチョコレートを全身に投げつけ…

ただの突然変異

会社で残業をしていた時の話。「30になると一気にくるぞ」鈴木先輩が肩を回しながら言った。「え?どういうことですか?」私は聞き返したが、鈴木先輩はニマニマと笑いながら答えようとしない。「まあいいか」明日から30になる私としては気になる話ではあっ…

たまによくあること

新年会での出来事。会が始まるやいなや新人の田中君は進行役の幹事長を蹴り飛ばすと宣言した。「これからテーブルクロス引きをします」そして田中君は実際に各テーブルを回ってテーブルクロスを引きまくった。しかし成功率は極めて低く、テーブルの料理は無…

火災

会社での出来事。私は車を駐車しようとしたが、アクセルとブレーキを間違えてしまい社屋にぶつかってしまった。「あ!やべ」会社は炎上し倒壊した。やがて中から社員が次々と出てきて犯人探しが始まった。当然原因となる車を所持していた私が疑われ追及され…

レロレロレロレロ

今日はバイトの日。私はかれこれ10年、十円玉を磨くバイトを行っている。作業は単純で十円玉を磨くだけ。ただし道具は使わない。舌で舐めて綺麗にするのだ。両親には高度な技術を要する清掃業務だと伝えている。「レロレロレロレロレロレロー」私は床に這い…

学生時代の思い出

卒業式後の教室。私は窓に体をこすりつけて感傷に浸っていた。「アッアッアッヒィー」これで最後かと思うと名残惜しい。私は机の上に立つと服を引っ張りながら踊りだした。「カオナシのまねーアヒィィィー」だんだん楽しくなってきた。しかし、「何をしてい…

優秀な警察官

仕事の帰り道。私は車で150キロというごく標準的なスピードで信号無視を繰り返しながら逆走していたところ警察に止められた。「何か?」私は警察官を前に平然を装いながらも内心焦っていた。さっきタバコをポイ捨てしたのがまずかったのかもしれない。警察官…

ホームレスになった経緯

今日は休日だ。私は部屋でストローを舐めながら口の中で引き裂かれる刺身の気持ちを考察していた。「友達でもいればな」こんな私でももう少し充実した時間を過ごせたのだろうか。すると窓から誰かが入ってきた。「おーす元気にしてたか?」知らない人だった…

新人教育

私はベテラン社員。既に完璧になりつつある私であるが、未だ経験のない役割がある。新人教育だ。しかしそれもすぐに過去の話となるだろう。明日からくる新人の教育担当は私なのである。むろん心構えも完璧だ。高圧的な態度や言動は当然しないし、無理な仕事…

ちゃぶ台

早朝。「こんなもん食えるか!」がちゃーん。ちゃぶ台に乗ったおいしそうな料理はすべて台無しになった。特に料理に不満があるわけではない。料理を作るために他人が費やした時間を無駄にする感覚がたまらないのだ。「やば、漏れそう」私はしばらくの間歓喜…

ニートの下剋上

我が家にて。「兄貴!ついにタイムマシンが完成したぞ」弟が部屋に駆け込んできた。うるさい。「寄生虫そろそろ働けよ。親だっていつまでも元気じゃないんだぞ」私は現実を突きつけた。「これ、タイムマシンで荒稼ぎしたお金だよ」弟はそう言うと札束の入っ…

失敗もまた経験

海辺を歩いていると亀がいじめられていた。数人の子供が寄ってたかって亀を棒でたたいたり、タバコの火を押し付けたりしている。「ガキどもが、、、」私は人当たりがよく非暴力を推奨している人格者だが、守るべきものがいる場合は別だ。私は走りながらたま…

反運動男

私はアンチストレッチマン。興味本位で家の2階から飛び降り膝を悪くした私は世にはびこる健常者を恨んでいる。「今日もアンチストレッチストレッチ!」私が街を巡回していると早速邪悪な活動を見つけた。子供たちが公園でラジオ体操をしている。私は全速力で…

明かりつけ師

私はさすらいの明かりつけ師。他人の住居に侵入し、部屋の明かりをつけることに命をかけている。理由?そんなものはただ一つ。家主が帰ってきた時に寂しくならないようにするためだ。我ながら出来すぎた性格である。「さぁて、今日の報酬は何かな?」ちなみ…

お金より大切なもの

突然だが医者に余命1年と宣告された。ヒェェー。そんな時、友達が言った。「死ぬ瞬間に持っていたものはあの世に持って行けるらしいよ!」ーえ?私は手早くサラ金と親戚に借金を繰り返し、さらに闇バイトで得た合計1億円を体に巻き付けた。このまま死ねば来…

楽しい絶縁

突然だが縁を切りたい友達がいる。会社の同僚だ。いつも偉そうで愚痴ばかり言っている。「直接言ってもいいが、ここは社会人らしく文章で、丁寧かつ遠回しに気持ちを伝えよう」私は決心し以下のメールを送った。"あなたの顔を見ると吐き気がします。気持ち悪…

誇りある仕事

私は中堅社員。またの名をエースという。最近新人の教育係に任命されたため、今日もビシバシと指導中である。「先輩!ここの手順が分かりません」早速新人から質問が来た。軽くいなしてやるか。「ゴミが。こんな簡単なことも分からないとは。いいか?よく見…

会社の常識

時刻は午後5時30分。会社の定時だ「うひょひょーい帰れるー!」私はものすごい速さで帰ろうとしたが主任に止められた。「待ちなさい。君は今日サービス残業をする日だよね?」なんだその日は。私が警戒していると同僚は言った。「お前はいつも会社で寝てばっ…

窓の不審者

私が部屋で目覚めるとそこには驚愕の光景が待ち受けていた。知らない人が窓の外に張り付いているのだった。「中に入れてくれ~」しかも何か言っている。完全に不審者だ。本来ならば警察に通報するところだが、寛大な私は入れてやることにした。ただし、危険…

庭師

「よし、これで全部か」ひと仕事終えた私は爽快な気分で庭に横たわった。私は庭師。無断で他人の家に侵入しては木を伐採したり、花を引っこ抜いたりしている。もちろんボランティアだ。なぜこんなことをしているのかというと家主が返ってきたときの反応が面…

散歩の流儀

「今日はいい天気だし散歩でもするか」私は夜の町を四つん這いになって歩いていた。 すると─ 「ちょっといいですか?」警察官に声をかけられた。職質と言うやつだろうか。 私は紳士的に応じた。「任意ですよね?だったら何も言うことはありませんファッ○」 …

ある正義マンの日常

私は正義の味方。日々人助けに精を出す人徳者である。 今日は公園のパトロールを行っている。「さて、今日もどこかに困っている人はいないかな。ん?」見ると子供が集まって何かをしている。近づいてみると、気の弱そうな子を大勢で囲ってからかっているよう…