頑張ったら負け

妄想というか願望

ひなまつり

会社出社時。
「今日ってひなまつりですよね」
私は何げなく言った。

すると鈴木先輩は答えた。
「ああ、あの日か。うちの会社も騒がしくなるな」

どうやら何かあるようだ。
鈴木先輩は続けた。
「まぁ見ればわかるさ。よくあるやつだよ」

しかし会社に着くと想像を絶する光景が広がっていた。

「ギャァァァァ゛ーーーーーーーーーーーー」

祭壇にはたくさんの人が並べられ生きたまま火をつけられていた。
周囲には松明が大量に置かれており、よく見ると生首がくべてある。
祭壇の中央では司祭らしき人が生贄を日本刀で滅多刺しにしている。

「な、何ですかこれは?」

私が誰もが抱くであろう疑問を呈すると鈴木先輩は答えた。

「何って?ひなまつりだよ。年に一度、クレーマーや使えない社員を燃やして神に捧げることで会社の繁栄を願う祭りさ。まぁ祭りの形は地域差があるからちょっと驚いちゃったかな。ハハハハハ」

なるほど。

「ちなみにヒナアラレというのはここで燃やした人たちを砕いて丸めたお菓子のことだよ。後で食べるからよく覚えておいてね」

なるほど。

「あとひなまつりの由来は火成(ヒナ)祭りからきているらしいよ」

なるほど。

私は即行で退職した。